B&OのBeoplay EXが美品2万円。そして僕は途方に暮れる

Beoplay EX

衝動買いという言葉を正当化するなら、これがまさにその瞬間だった。あのBANG & OLUFSENのBeoplay EX(美品・Aランク)が2万円で手に入った。価格差と音の印象を思い浮かべると、買わない選択肢が消えた。

person listening to music with headphones cozy home interior

Photo by Vitaly Gariev on Unsplash

なぜB&Oに惹かれるのか

僕は昔からヨーロッパの音が好きだ。初めて買ったスピーカーはイギリスのブランドで、チタンドームツイーターを積んだ“あの音”に心を奪われた。暖色でもなく、ただ美しい。表現が難しいけれど、音楽全体のトーンを絵画のように伝えてくれるタイプだ。

B&O(Bang & Olufsen)は1925年創業の老舗で、デザインと音質の両立で知られている。デザイナーのヤコブ・ワグナー(あるいは著名なデザイナーの系譜)によるプロダクト哲学や、ビオサウンドなどの伝説的な製品群の話を聞けば、なぜ人が惹かれるかは理解できるはずだ。

個人的な思い出としては、若い頃に梅田の専門店でBeosoundのMP3プレイヤーとA8イヤホンのセットを試聴した体験がある。高級な椅子に座り、ジャズボーカルの1時間。音の表情、低音の沈み込み、高音の伸びやかさ。あのときの衝撃は今でも鮮明だ。

Bang & Olufsenの店舗正面入り口、ロゴがはっきり見える店構えの写真
B&Oの直営店。僕がブランドに惹かれる理由が一目で分かる風景。

Beoplay EX:手に入れるまでの小さなドラマ

Beoplay EXは現行機だと4万5千〜7万円くらいで取引されることもある。けれど、モデルの一つ前や型落ちを狙えば、音質に大きな差がないケースもある。今回の個体はAランクの美品で2万円。値段だけ見れば「買わない理由がない」レベルだ。

ただし、注意点がある。B&O製品は中古市場で偽造品が多い。見た目が似ていても内部のファームや機能が違うものが出回っているからだ。偽物を見抜く一番確実な方法は、専用アプリと接続して正規品として認識されるかを確認すること。これができれば安心だ。

僕は今回は信頼できる販売店(いわゆる「イヤホン専門店」)で購入した。フリマサイトでの購入はトラブルの可能性が高いので、心配なら正規のルートか実績のある中古屋を選ぶべきだ。

Bang & Olufsen Beoplay EXのイヤホンと充電ケースの製品写真(白背景)
開封前のイメージ:Beoplay EX本体と充電ケース

開封と第一印象:美品Aランクの価値

箱を開けた瞬間、「新品に近い」と言って差し支えないほどの美しさだった。充電ケースやイヤーピース、付属ケーブル、説明書まできれいに揃っていて、手袋をして扱うほどの感動があった。ガラスや金属を使った外観は所有欲を満たす。

付属品も豪華で、ケーブルにはしっかりB&Oロゴが入っている。ウーハー部分が大型化しているモデル変更もあり、低音がしっかり出る設計になっていることが外観からも想像できる。

Beoplay EXイヤホンと充電ケースの鮮明なクローズアップ
充電ケースに収まるBeoplay EX本体の鮮明なクローズアップ。

装着感と接続:使っていて気持ちいい設計

装着感は非常に良好。イヤホンの角度や形状が耳にしっかりフィットして、落ちる不安はほとんどない。斜めに入るドライバー配置は耳の形に合いやすく、長時間のリスニングでも疲れにくい。

接続はBluetoothで、今回の試聴ではaptX系のコーデックを利用した。スマホ側(例としてMotorola H50 Pro)の対応も大事で、コーデックが対応しているかでしかるべき音質が得られる。LDACがない環境でも、aptXやaptX adaptiveで十分に満足できる音を出してくれる。

イヤホンを耳に装着して試聴する様子(装着感を確認している)
実際に装着して最初の音を確かめる場面。

音の最初の印象:重心の低さと包み込む低音

重心がね、意外とめちゃくちゃ低いですね。いや、これぞB&Oって感じなサウンドですわ。

最初に聴いたのはジャズ。低音の沈み込みと中低域の厚みが印象的で、「音に積まれている」ような重みを感じる。エッジは丸く、解像度を前面に出すタイプではない。細部を鋭く切り分けるよりも、音楽全体の色調や雰囲気を表現する方向性だ。

スマホの音楽再生画面が表示され、Beoplay EXを装着したレビュワーが音を確認している写真
楽曲再生画面を表示してBeoplay EXで音を聴く場面。

ラッパーのトラックを少し流したときも、ヴォーカルの自然さや低域のドライブ感が嫌味なく伝わる。AZ-100やPI7のような「解析的で鮮明」な音と比べると、こちらは明確にリスニング寄り。音像のエッジを立てず、丸みのある滑らかな描写が魅力だ。

ジャンル別の相性:ジャズ、クラシック、J-POP

ジャズ

ジャズとの相性は抜群だ。ボーカルは艶があり、楽器ひとつひとつが自然に調和する。ベースやウッドベースの響きが深く、立ち上がりの良いアンビエンスが耳に届く。ジャズ好きには刺さる音作りだ。

クラシック

満足げに両腕を広げるレビュワーと中央のカラフルなマイク、右側にスマホの再生画面
両手を大きく広げて感動を示す瞬間。

クラシックでの音場表現も優れている。特にオーケストラの広がり感で驚いた。音場が広く、楽器の空間再現が非常にきれい。「飛べる」と感じるほど解放感があり、奥行きのある描写が得られる。

J-POP

マイク前のレビュワーがスマホの再生画面を示しながら説明しているカット。右側に西野カナのアルバムアートが大きく表示されたSpotify画面が見える。
これ西野カナのボーカルが、と指し示すシーン。

ポップスや歌モノも得意分野だ。特にボーカルの抜けと広がりが優れており、ライブ感のある再現が可能。西野カナのような楽曲を聴くと、ヴォーカルの存在感とバックの楽器のバランスが崩れず、非常に魅力的に響く。

音作りの本質:人格を持つサウンド

Beoplay EXの音は、単なるスペックの積み重ねというよりも「音の個性」が強く出ている。これはカメラやレンズが写真に独特の色調や雰囲気を与えるのと似ている。どの曲を流しても「これはB&Oだ」と分かるような音の性格を持っている。

音楽全体のトーンとかカラーとか、そういうのをものすごく表現するのが上手な感じで、テクニックとかじゃなくて全体的なイメージとして音楽を伝えてくれる。

荒探しをして細部の不自然さを見つけようとしても、あまり見つからない。音の魅力で耳と心が満たされ、細かい欠点を探す気持ちがそがれるのだ。

テクニカルな評価:解像度と低音のバランス

Beoplay EXはローエンドがしっかりしているが、解像度という点ではAZ-100やPI7のような“解像度重視”のイヤホンには及ばない場面もある。つまり、音の輪郭やディテールの見通しは若干丸められている。しかし、それを欠点と感じない人も多い。

  • 低音: 深く沈むタイプ。ジャズや歌モノでの包み込み感が強い。
  • 中域: 豊かで艶やか。ボーカルが前に出る。
  • 高音: 刺激的ではないが伸びがあり、上まできれいに出る。
  • 音場: 広く奥行きがある。クラシックでの恩恵が大きい。

EDMや細かなタイトさを求めるトラックでは、少し物足りなさを感じる可能性がある。音像のエッジを強く求めるリスナーよりも、音楽の「色」を楽しみたい人に向いている。

比較:Beoplay EX vs PI7 vs AZ-100

比較の要点を整理すると次の通りだ。

  1. Beoplay EX:音楽性重視。低音の包み込みと音場表現が魅力。ジャズ、クラシック、ボーカル主体の曲で最高の表現をする。
  2. B&W PI7:解像度と中高域の鮮明さが魅力。より解析的に音を聞きたいときに向く。
  3. Technics AZ-100:技術詰め込み型。綺麗で繊細。日本的なチューニングを好む人に合う。

結論として、Beoplay EXは「音楽に酔える」タイプ。比較対象がどれも良いだけに好みの差が結果を大きく左右するが、僕の直感では「ジャズや歌ものならEXが勝る場面が多い」。

微笑むレビュワーがマイク越しに話す様子、右側に再生中の音楽画面とアルバムアートが見える
比較の結論で僕が笑顔で締める一枚。

購入時の注意点とおすすめの買い方

中古でB&Oを買うなら、以下の点を押さえておくと安全だ。

  • アプリで認識するか確認する:正規品なら専用アプリで認識されることが多い。接続時にモデル情報やファーム確認ができるかチェック。
  • 信頼できるショップを選ぶ:フリマは安いがトラブルも多い。経験のある中古店や正規取扱店のAランク品が安心。
  • 付属品の有無:箱、説明書、ケーブル、イヤーピースなどが揃っていると状態の良さの指標になる。
  • コーデックの確認:使用デバイスがaptX/LDACなど対応しているか確認すると音質向上に直結する。

僕が買った個体はイヤホン専門店で、店員さんが丁寧にメンテしてくれた跡が見て取れるほど綺麗だった。2万円という価格は掘り出し物と言っていい。

どんな人にBeoplay EXをおすすめするか

Beoplay EXは次のような人に特に向いている。

  • ジャズやアコースティック、ボーカル主体の音楽をよく聴く人
  • 音に個性や“色”を求めるリスナー
  • 装着感やデザインの美しさを重視する人
  • 長時間聴いても疲れないイヤホンを探している人

逆に、EDMや緻密な定位感、極端に高い解像度を最重要視するなら、他モデルを検討したほうがいいかもしれない。

楽しみ方:Beoplay EXで音楽を“酔って”聴く方法

このイヤホンの魅力を最大化するための簡単なTips。

  • 良いソースで聴く:ストリーミングでも高ビットレート(例:Spotifyの高音質設定やApple Musicのアルバムをロスレスで)を選ぶ。
  • 適切なコーデックを使う:aptX adaptiveやLDACに対応しているスマホを使うと音がぐっと良くなる。
  • EQは過度にいじらない:B&Oらしい音のカラーが損なわれる可能性がある。小さな調整だけで十分。
  • ジャンルを選ぶ:ジャズ、クラシック、ボーカル曲を中心にプレイリストを作ると幸福度が高い。

最後に:Bluetooth天国と音楽の旅

収録スタジオでマイクを中心に座る人物の定点ショット、字幕や画面テキストがないクリーンな構図
最後のまとめとして使いやすい、字幕のない落ち着いたカット。

最近のワイヤレスイヤホンは本当にレベルが高くて、選択肢が増えすぎて困るほどだ。Beoplay EXを手に入れて改めて思ったのは、「音楽の聴き方が豊かになった」ということ。解析的な音だけが良い音ではない。音楽そのものの雰囲気やドラマを感じさせてくれる音が確かにここにはある。

2万円で得た満足感は大きい。高価な新品と比べて音の差が小さいモデルも多いし、掘り出し物を見つける楽しさも中古市場の醍醐味だ。重要なのは自分が音楽をどう楽しみたいかを見定めること。音に酔いたいのか、細部まで解析したいのか。それだけで選ぶ基準は明確になる。

最後に一言。音楽は日常を豊かにする魔法だ。良いイヤホンはその魔法を身近にしてくれる。Beoplay EXは、まさにその魔法の一つだ。

参考:主な試聴時の感情のスナップショット

  • ジャズ再生時: 「震えるほどいい」感動
  • クラシック再生時: 「音場が広い、飛べる」開放感
  • J-POP再生時: ボーカルの広がりに「テンションぶち上がり」
締めの挨拶をするレビュワーとマイク、画面下に「それではまた何かレビュー」の字幕
締めの挨拶 — 次のレビューへ繋ぐラストショット。

最後に一つだけ

最高のサウンドを探す旅は終わらない。けれど、一歩一歩で出会う音がその旅を豊かにしてくれる。Beoplay EXはその選択肢の一つとしてとても魅力的だ。

バング・アンド・オルフセン (Bang & Olufsen) 完全ワイヤレスイヤホン Beoplay EX Black

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